期限
引きこもりのころ、20になったら死のうとなんとなくだけど思っていた
ぶら下がり健康器とロープを買ってやってやろうと
結局は何も買わずに死ぬこともなくずるずる生きてきたわけだ
きっとまだ希望もあって社会復帰して普通になれると思っていたから死ぬに死ねなかったのかもな
自分が無能だってこともあんまりわからんかった
俺はなんで引きこもったんだろう、いろんな理由があったけど今となってはたいした理由でもないように感じる
無能な俺にとって引きこもることは最高の逃げ道だった、失敗して笑われ怒られて
そんな日常から抜け出せた、人の目や笑い声や噂や嘲笑なんかに怯えずにすんだ
そうして長い長い引きこもり、8年の引きこもり生活は正直楽しかった
不安はあったが毎日に怯えない生活というのは実にいいものだった
将来には怯えていたがネットやゲームがそれを薄めてくれた
俺の人生は終わったと思っていたから開き直っていたのかも
母親も俺に働けとは言うタイプの人ではなかった、俺の無能さを知っていたから
外で迷惑起こされるより引きこもってたほうがマシだそうな
そして何かのきっかけで脱出、毎日怯える生活に戻る
だけど前よりは怯えが引っ込んだように感じる、俺はそういうことをされる人間だ
ダメ人間だということを自覚すれば
されるとわかっていれば、そういうもんだと思えれば怯えなくてすむ
あとはただ辛いだけだ、じっと耐えるだけだ
原因は俺だ、それなら耐えるしかない、変われないなら耐えるしかない